ミネラル塩 野菜の脱水と食塩の働き

新鮮な野菜の組織は生きた状態を保っていて、組織を作っている細胞の細胞膜は半島性である。つまり水を自由に通すが、塩や砂糖など水以外の分子はなかなか通過できない。野菜に塩を振るか、または濃い食塩水に溶けると、細胞内の水だけが外へ引き出され、食塩は内部に入って行けないので、野菜はしだいに収縮してくる。酢の物のきゅうりやサンドイッチのレタスはこの現象を利用して、あらかじめ塩を振って水を引き出しておく。漬け物の塩も同様で、水が引き出されて長時間経つと、細胞膜は生理活性を失い半透性はなくなるので、漬け床の調味料や風味が野菜に浸み込んでいく。酢の物、和え物、サラダなどに、あまり早くから調味料液やドレッシングをかけておくと、水分が引き出されて味が薄まってしまうのも同じ理由である。逆に野菜を真水につけると、内部の細胞液の方が濃度が高いので、外部から水が侵入して細胞は膨らみ、ピンと張った状態になり。サラダ用の野菜や刺身のつまを冷水に放って張りを持たせるのは、この現象を利用している。このように生鮮野菜を水や調味料液に浸したときにおこる現象を浸透という。しかし浸透は生きた組織だけに生じる現象で、加熱して生理活性を失った野菜に調味料が浸み込む現象は拡散という。

株式会社 農業経営研究所

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