ミネラル塩 焼き魚のタンパク質と食塩の働き

食塩はタンパク質の熱凝固を促進する、茶碗蒸し卵豆腐など調理の例は多い、精製塩でもよいが、焼き魚などのにがり分の多い塩の方が良いと言われる。にがり分はもともと天然の海水に含まれる無機成分で、塩化マグネシウムを主体としている。純粋な塩化ナトリウムの塩味に微量の塩化マグネシウムなどの味が加わると、魚の風味もより複雑になる。マグネシウムはタンパク質熱凝固の促進効果も大きい。にがり分の多い塩は吸湿性が強いので、魚体表面の脱水を促して身をひきめる作用もある。1997年(平成9)年4月、専売法廃止、塩事業法施行による食塩の自由化以来、純粋な塩化ナトリウムにいろいろな無機質を配合して天然の塩に近づけたものなど、さまざまな自然塩の商品も現れてきた。 焼き魚には、30分〜1時間後に約2%の食塩をふるのが良い。白身魚は速く塩をふると締まりすぎて固くなるので必ず直前にする。 食塩は筋肉タンパク質の溶解性を高め、水分を保持する力(保水性)を増す。一方加熱した時には食塩がタンパク質の熱凝固を早める。魚に塩を振りかけると表面近くは濃い食塩水の状態になってやや脱水が起こった状態になる。内部へ浸み込んだ食塩はタンパク質を柔らかく水持ち良くする。加熱を始めると表面の食塩はタンパク質の熱凝固を速め、固まったタンパク質が壁のように内部の柔らかい部分を保護してうま味の流出を防ぐ。姿焼きの魚は化粧塩といってひれの部分に塩をつける。化粧塩は500〜600度に加熱され、魚体に火が通る前に焦げてしまうひれの部分を守る一種の防壁である。

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ミネラル塩 酢漬け魚の塩じめ

魚を酢でしめる時、食酢を単独で使うことなく、塩で締めた後に酢で味をつける。酢じめとはいうものの、実は塩じめ魚の味付けに酢を用いていると乾えても差し支えない。酢には魚の筋肉タンパク質を引き締めて凝固しやすくするが、適量がむずかしく、多すぎるとタンパク質が凝固力を失って締められなくなってしまう、塩も同じように凝固力を増す働きがある。食塩が魚肉タンパク質の溶解性を増して全体を軟らかくし、そのあと酢を加えても凝固力を失うことはなく、両者が協力した形で全体を柔らかく凝固させることである。

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ミネラル塩 食塩と防腐作用

調味料は味つけのためだけでなく、天然の防腐剤として食品の保存性を高めるのも調味料の大切な用途です。食塩の場合は、一番重要な働きは防腐作用で、昔から多種多様な塩蔵食品が作られてきた。腐敗細菌の生育は濃い食塩によって大きく阻害される。5%程度の食塩濃度から効果があるが、防腐の目的を完全に遂げるには15%以上の濃度が必要である。生鮮材料を乾燥して水分を減少させると防腐はいっそう完全になる。塩蔵魚ばかりでなく、乾燥品、魚の干ものにも普通は必ず食塩を加えて製造する。

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ミネラル塩 煮物の塩の味付け順序

煮物に調味料を加えると、煮汁に溶けた呈味成分が材料の方に侵入する。この侵入速度は温度が高く、汁の調味料濃度が濃く、材料の表面積が広いほど大きい。また侵入する物質の分子量が小さいほど侵入速度が速くなる。 食塩の分子量は58.5、しかも水に溶けてしやすいナトリウムイオンと塩素イオンに分かれている。砂糖は分子量342で食塩の6倍近く大きい。食塩の方が侵入が速く、砂糖の4倍の速度で材料に浸み込む。食塩はたんぱく質の熱凝固を促進するなど、食品の組織を固く引き締める作用があります。逆に砂糖はデンプンやタンパク質など食品の成分を柔らかくする。 野菜や芋などに中まで味を圴一に含ませた煮物の場合、分子量が大きく浸透の遅い砂糖は食塩より先に加え、その後食塩や醤油を加える。塩を先に加えると速く染み込んで材料の水分を引き出し、組織を引き締めて後から加える砂糖の侵入を妨げる。まず砂糖を入れてゆっくりと吸収させ、柔らかく煮えたところで必要な分量だけ塩を加えるのである。塩と砂糖を同時に加えても、塩の方が先に浸み込んで結果は同じである。

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ミネラル塩 食塩が関わる味の対比効果、抑制効果

1)甘味の少量の塩味を加える→甘味が強められる。2)酸味に少量の塩味を加える→酸味が弱められる。3)塩味に少量の酸味を加える→塩味が強められる100分の1 4)塩味に多量の酸味を加える→塩味が認められる100分の2〜100分の3、5)塩味に少量のうま味を加える→塩味が強められる10分の1以下

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ミネラル塩 食塩は褐変を防ぐ

りんご、もも、レンコン、ゴボウなど、いろいろな果物や野菜の皮を剥いたり切ったりして放っておくと、切り口がしだいに褐色に変わって来る。しかしむいたあと食塩水につけておくと色が変わらない。野菜や果物には、ポリフェノール系物質と呼ばれる何種類かの化合物が含まれている。この化合物は空気に触れると酸化されて、メラニン色素と呼ばれる褐色の物質になる。皮を剥いたり切ったりした野菜・果物を放っておくと褐変が起こるのはそのためである。この反応は、野菜・果物のなかにポリフェノールと一緒に含まれている酸化酵素(ポリフェノールオキシターゼ)によって進められる。だから褐変が起こるには、「ポリフェノール系物質」「空気中の酵素」「酸化酵素」の三者が出合うことが条件である。そこで褐変を防ぐには、三者のどれか一つでも除いてやる、すなわち空気を遮断するか、酵素作用を抑制するかの一方または両方を実行すればよい。切った野菜をすぐ水に放つだけでも、空気中の酵素を一時的に遮断して褐変が抑えられる。また食塩は酸化酵素の作用を抑えるので、切ったりんごなどを薄い食塩水に浸すと、褐変も防ぎ味も良い。

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ミネラル塩 野菜の緑色と食塩

野菜の緑色の本体はクロロフィル(葉緑素)という色素で、水に溶けないので茹でても水にさらしても緑色が溶け出すことはない。その代わり長い加熱には弱く、茹ですぎると色があせて褐色になってしまう。青菜を茹でるときなるべく短時間で済ませ、茹でたらすぐ水で冷やすのはそのためである。クロロフィルは酸に弱く酸性では急速に色があせるので、酢を加えて長く煮るのは禁物である。食塩はクロロフィルの緑色の安定化に役立つので、茹で汁に少し塩を加えておくと色のあせ方を遅らせることができる。逆に重曹のようなアルカリ物質を加えると、色は鮮やかになるが繊維が軟化して歯ざわりを損なう。従って青葉に重曹を加えるのは禁物である。しかしワラビやゼンマイのように組織の丈夫な野菜に重曹を使えば、柔らかくなる上に色も綺麗、アクも抜けるという一石三鳥の効用がある。

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ミネラル塩 野菜の脱水と食塩の働き

新鮮な野菜の組織は生きた状態を保っていて、組織を作っている細胞の細胞膜は半島性である。つまり水を自由に通すが、塩や砂糖など水以外の分子はなかなか通過できない。野菜に塩を振るか、または濃い食塩水に溶けると、細胞内の水だけが外へ引き出され、食塩は内部に入って行けないので、野菜はしだいに収縮してくる。酢の物のきゅうりやサンドイッチのレタスはこの現象を利用して、あらかじめ塩を振って水を引き出しておく。漬け物の塩も同様で、水が引き出されて長時間経つと、細胞膜は生理活性を失い半透性はなくなるので、漬け床の調味料や風味が野菜に浸み込んでいく。酢の物、和え物、サラダなどに、あまり早くから調味料液やドレッシングをかけておくと、水分が引き出されて味が薄まってしまうのも同じ理由である。逆に野菜を真水につけると、内部の細胞液の方が濃度が高いので、外部から水が侵入して細胞は膨らみ、ピンと張った状態になり。サラダ用の野菜や刺身のつまを冷水に放って張りを持たせるのは、この現象を利用している。このように生鮮野菜を水や調味料液に浸したときにおこる現象を浸透という。しかし浸透は生きた組織だけに生じる現象で、加熱して生理活性を失った野菜に調味料が浸み込む現象は拡散という。

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ミネラル塩 タンパク質への食塩の作用いろいろ

茹で卵や落とし卵の鍋に塩を入れておくのも、やはりタンパク質の熱凝固促進作用を利用している。鍋の湯に1〜2%の塩を入れておくと、ひびが入ってもすぐに凝固して中身の流出をさまたげる。しかし食塩がタンパク質の性質に影響を与えるのは熱凝固だけではない。魚のすり味からつくるかまぼこ、ちくわなどいろいろな練り製品は、魚の筋肉の繊維状タンパク質をよくこねている間に、分子が網目状に絡みあってあのコシと弾力が出てくる。この時に食塩とタンパク質と水の分子をつなぐ役割をして、分子の絡み合いを促進するので、塩を加えないと良い練り製品はできない。小麦粉を水でこねた時にも、タンパク質分子が網目状に絡み合い、弾力のある塊になることがよく知られている、これがグルテンの形成という現象である。この時にも数%の食塩を加えると分子の絡み合いが促進されている。食塩はタンパク質の凝集性(分子が集まろうとする性質)を高め、分子の網目構造を強め、こねたかたまりのコシを強くする働きがある。うどんを作る時、塩を加えたこねた後、室温に放置すると、網目構造による分子の絡み合いがゆっくり進んでいくので、寝かしておくとコシの強い弾力のある麺ができる。

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ミネラル塩 焼き魚のタンパク質と食塩の働き

食塩はタンパク質の熱凝固を促進する、茶碗蒸し卵豆腐など調理の例は多い、精製塩でもよいが、焼き魚などのにがり分の多い塩の方が良いと言われる。にがり分はもともと天然の海水に含まれる無機成分で、塩化マグネシウムを主体としている。純粋な塩化ナトリウムの塩味に微量の塩化マグネシウムなどの味が加わると、魚の風味もより複雑になる。マグネシウムはタンパク質熱凝固の促進効果も大きい。にがり分の多い塩は吸湿性が強いので、魚体表面の脱水を促して身をひきめる作用もある。1997年(平成9)年4月、専売法廃止、塩事業法施行による食塩の自由化以来、純粋な塩化ナトリウムにいろいろな無機質を配合して天然の塩に近づけたものなど、さまざまな自然塩の商品も現れてきた。 焼き魚には、30分〜1時間後に約2%の食塩をふるのが良い。白身魚は速く塩をふると締まりすぎて固くなるので必ず直前にする。 食塩は筋肉タンパク質の溶解性を高め、水分を保持する力(保水性)を増す。一方加熱した時には食塩がタンパク質の熱凝固を早める。魚に塩を振りかけると表面近くは濃い食塩水の状態になってやや脱水が起こった状態になる。内部へ浸み込んだ食塩はタンパク質を柔らかく水持ち良くする。加熱を始めると表面の食塩はタンパク質の熱凝固を速め、固まったタンパク質が壁のように内部の柔らかい部分を保護してうま味の流出を防ぐ。姿焼きの魚は化粧塩といってひれの部分に塩をつける。化粧塩は500〜600度に加熱され、魚体に火が通る前に焦げてしまうひれの部分を守る一種の防壁である。

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